昼寝が効率的?!積極的仮眠、『パワーナップ』でパフォーマンスをあげよう 1/2
睡眠の悩みが絶えない現代社会。
昨今では『睡眠負債』という言葉をよく耳にするようになりました。
『睡眠負債』とは慢性的な睡眠不足が積み重なって心身に悪影響を及ぼす可能性がある状態のことを指します。
適切な睡眠時間は成人で6時間から8時間で個人差があるとされていますが、
厚生労働省の2019年における「国民栄養・健康調査」では成人の7割近くが7時間未満の睡眠時間であることが報告され、40代の成人男性においては実に半数近くが6時間未満であることが分かっています。
また、日本も加盟しているOECDの調査”OECD Gendar data portal 2021 Time use across the world"では、日本人が一日に睡眠に費やす時間は最も短い「7時間22分」であるとしています。
加盟国平均が「8時間28分」であることを考えると、いかに現代社会において日本人の睡眠時間が足りていないかがわかります。
なにかと忙しい現代社会。
しかし慢性的な睡眠不足では労働生産性はおろか、健康にまで悪影響を及ぼしてしまう。
そんな中、ひそかに『パワーナップ』が注目を集めています。
『パワーナップ』とは
『パワーナップ』は15分から30分ほどの短い睡眠をとる睡眠法のことで、コーネル大学の社会心理学者ジェームス・マース氏によって提唱されました。
英語では『Power Nap』と書き、『昼寝』や『うたた寝』の意味を持つ『Nap』と『Power Up』を合わせた造語で、日本では単に『パワーナップ』だけでなく『積極的仮眠』とも呼ばれています。
では『パワーナップ』は一体どんな恩恵をもたらすのでしょうか。
『パワーナップ』の効果
『パワーナップ』は注意力の向上と、仕事の効率アップの効果があることがNASAの研究によって明らかになっています。
The space agency found that pilots who slept in the cockpit for 26 minutes showed alertness improvements of up to 54% and job-performance improvements by 34%, compared to pilots who didn't nap.
”宇宙局によれば、コクピットで26分仮眠した場合、仮眠しなかった場合と比べると54%の注意力の向上と34%の仕事のパフォーマンスの改善が認められた。”
”https://www.businessinsider.com/nasa-research-found-the-perfect-length-for-a-power-nap-2019-3”より引用
また、厚生労働省による「健康づくりのための睡眠指針 2014」の第8条では
第 8 条.
厚生労働省による「健康づくりのための睡眠指針 2014」の第8条
勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
日中の眠気が睡眠不足のサイン
睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる
睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる
午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042749.html
として午後の短い昼寝が作業能率の改善につながるとして推奨しており、NASAも
"Napping leads to improvements in mood, alertness and performance [such as] reaction time, attention, and memory,"
"昼寝は気分、注意力、パフォーマンス(反応時間、注意力、記憶力など)の向上につながる。"
としています。
しかしなぜ、15分から30分と短い睡眠が推奨されるのでしょうか。